2019年3月 5日 (火)

女性議員はなぜ増えない?

すごいタイトルです。「肉食系以外の女性議員増加を」。

昨日の参議院予算委員会有村治子議員の質問を取り上げた記事ですが、私も昨日移動の車中で聞いていて、思わず笑ってしまいました。

女性が政治の世界で当選してくるまでには、様々な男性は経験しないハラスメントを乗り越える必要があり、乗り越える際に強くなってしまうので、議場にいる女性議員は皆、肉食系ばかりになってしまっているけれど、それでいいのかという話をしていました。もっと、障害があったり、普通に子育てしている人も代表になって出てこられる国会であるべきではないかと。

確かに、その時に画面に映っている女性国会議員たちは皆強そうでしたし、私の周りで地方議員をやっている女性議員も、「肉食」の表現が適当とは思いませんが、ハラスメントに泣き寝入りをするより、敢然と立ち向かっていくタイプが多いかと思います。
もっと普通の女性が出てこられる議会にというのは、「そうだよね!」と思いつつ、待てよ、男性でも議員になろうとする人たちは、普通より強いタイプの人が多いのではないか、とも思いました。うーん、男性よりも、強いハラスメントにさらされる分、女性議員の方がより頑強なキャラでないと生き残っていない、ということでしょうか。

私は、ハラスメントに会う会わないという側面以外にも、女性が政治の世界に出てきにくい土壌があると思っています。

それは、日常に政治の話題がどのくらいのぼるか、という問題です。なかなかアンケートなどしても捉えにくい数字だと思いますが、国際比較をしたら、相当日本は低いランクになるのではないかと思います。滅多なことでは政治の話はしません。もちろん、私は政治の仕事をしているので、皆さんと政治の話をすることはとても多いですが、話してくださる方が「他ではこんな話できないから、今日はできてよかった」とおっしゃるのをよく聞きます。生活と政治は直結しているのだけれど、政治は何か特別なものになってしまっているようです。

女性が仕事を持つことは、とても普通のことになりました。多くのロールモデルも存在しますから、例えば子育てで専業主婦になっていた人が「今度仕事を始めようと思うの」と言っても、受け取る男性も「ああ、そうなんだ」と普通のことに受け止められます。でも、普段から政治の話をしない国民性の中では、政治に興味を持つ人自体が、男女を問わず少ないと思うし、その少ない中の女性が「今度選挙に出てみたいと思うの」とパートナーなどに話したら、どうでしょう?「え?そんな珍しいことに君は関心を持っていたの?」となって、受け入れられない。そんな関連性もあるのではないかと思っています。

女性は十分に強い。今でも強い。芯が、信念が、強い人はたくさんいます。それこそ、障害があっても、普通に子育てをしていても、議会で戦う強さ、選挙を戦い抜く強さを持った人はたくさんいます。

でも、政治が「普通のこと」になる土壌の広さ、豊かさがないと、厳しいのではないか。

なかなか、答えはすっきり出ないのですが、もっとチャレンジする女性に増えてほしいですね。

https://www.msn.com/ja-jp/news/national/「肉食系以外の女性議員増加を」-国会でハラスメント防止議論/ar-BBUn2Ub?ocid=spartandhp#page=2

2019年2月23日 (土)

入管法の急な改正で、自治体は大変!

Photo_3 去年の臨時国会でいきなり決まった入管法の改正。これは実質的な移民政策なのではないかとか、色々議論がありました。国会のやりとりを見ていても、随分中身がいい加減な感じなのに、もう次の4月から施行されてしまうとは、大丈夫なのかいな、と思って見ておりました。

1月の衆議院の閉会中審査でも、この法改正に合わせて、受け入れ態勢を各地方自治体で整備するための予算がどのくらいついているのか、という質問に、政府が答えられていないやりとりがあり、「やっぱり」と思うと同時に、埼玉県や県内市町村も、大いに困っているに違いないと確信した次第です。

基本的には、国から予算が来ようが来まいが、自治体としては対策を前に進めなくてはならないと思っていました。ですから、どのくらいのことが準備できて、どのくがいのことは、その中で国の予算がついてできる事業なのか、2月定例会の一般質問の中で取り上げようと思っていたのでした。

でも、結果的には質問するのをやめました。なぜなのか。

ヒヤリングをしてわかってきたのは、国からは何も来ていないに等しいということ。そして、4月から仕組みが変わって外国人労働者の方々が多く入って来られることにはなるけれど、急にこの4月に大量の外国人が来るというよりは、徐々に入ってくるが、そのペースが今までより早いということ。つまり、これまで(実際は不十分なところもあるが)技能実習生や留学生のアルバイトや高度技能の外国人などの皆さんと共生するために取組んできたことを、当面は生かす、これを発展させる、という方向だということです。


国からは何も来ていない、これはかなり驚くべき状態です。県庁職員の一人が「入管法の所管の法務省は、これまで自治体と何かをやる仕事がなかったので、自治体がどんなタイムスケジュールで予算を組んだり仕事をしているのか、まったくわからないのでしょうね」と言っていたのが印象的です。

国からどのくらいの予算がつくのか、自治体が読めずに困っている中で、唯一、わかりやすく予算づけがされている事業がありました。それは、外国人の様々な相談を受ける多言語対応の窓口の設置です。なんと、埼玉県はこれを従来から整備していたため、全国に整備する受け入れ態勢として、お手本とされた3か所ぐらいの一つになっていたそうです。そして、唯一このセンター設置のみ、わかりやすい形で予算がつくのですが、驚くなかれ、今年度補正予算(つまりあと1か月ちょっとしか残っていない平成30年度)でしか設置費用を認めないというのです。そうでなくても、各自治体、最終の年度末予算執行や新年度予算審議に向けた準備で大わらわの中、このタイミングにしか、新しく設置する費用を認めないとは!どうしてもセンターの設置が新年度になる自治体のために、新年度でも設置費を認めるべきだと思うのですが、運営費しか出してもらえない由。おかしいこと極まりないです。

どうしてここまで拙速に進めなければならなかったのか。どこまでも疑問です。

私も、今回は現場の職員さんたちが、国のわからない指示をどう読み込んで執行するのか、部局横断的に戸惑いつつがんばっている姿を前に、当面はこれまでとってきた対策による対応で(本県は相談総合センターも設置済みでもあり)、混乱はしないと判断したので、私からの質問はしないことにしました。しかし、当面はしのげるというだけです。やはり、これまでとってきた多文化共生に向けての施策も、サービス箇所を増やしたり、対応言語を増やしたり、制度を直したり、と色々取り組んで行かなくてはならないと思います。

また、外国籍の子供たちの学びの環境については、不就学の子の実態がわからないことや、学校における日本語習得のサポートが不足していることなど、たくさん課題があり、同じ会派の浅野目代表が代表質問で取り上げることになりました。

駅での県政報告でも、一般質問で取り上げる旨お話していたので、項目からなくなった経緯と、事情のご報告まで。この続きは、しっかり県議会に選挙後に帰ってきて、取組みを続けたいと思います。


2018年10月13日 (土)

表彰を議会のおもちゃにしてはいけません

Dsc_0310_2昨日、大荒れに荒れた埼玉県議会9月定例会が閉会しました。おかしい出来事は、そのまま議決という形で固定された閉会日でありました。

さて、その最終日に起きた憂うべき出来事。それは、彩の国功労賞の表彰議案が審査されなかったことです。

そもそも、県民栄誉賞や彩の国功労賞といった表彰は、今年の2月定例会まで、知事が行っていました。他都道府県でもそうですし、国民栄誉賞であれば、総理大臣が決めて表彰します。確かに、国民栄誉賞の授与などの話題の際には、必ず時の人との授賞式のツーショット写真に、人気取りではないかと揶揄の声も聞こえます。その感想にも一理あると思いますが、自分たちの党の総理がこれをやるのは許せても、自分たちが敵視する知事がやっていると許せないのでしょう。とうとう、埼玉県議会自民党は、議会の同意がなければ授与できないよう、条例変更をしてしまいました。一見、議会も全部同意して表彰できるというのは、悪くないように思えますが、やはり、表彰という制度にはマイナスでした。それが、今議会で起きた事件で証明されたと思います。

何が起きたのか。

(もう報道されているので書きますが)サッカーワールドカップで活躍した埼玉県ゆかりの方々を彩の国功労賞にということで、開会日に代表者会議で執行部から提案がなされ、そののち、本来なら開会日の議会運営委員会に議案として提案されるはずでした。

しかし、この代表者会議と議会運営委員会の間に開かれた「自民議運」で「待った!」がかかったのです。「埼玉県ゆかり」なら、他にも表彰した方がいい選手がいるのではないか云々。結局、議会運営委員会に表彰議案は提案できず。その後、自民さんからの提案も踏まえた再選考を行いましたが、この手のことは対象者のご意向というのもあるので、結果、表彰を受けて下さる対象者は、元のメンバーに落ち着いたのでした。そこで再度、最終日に採決できるよう、執行部は提案。ところが。

自民さんはノー。あくまで、「初日に議会運営委員会で提案」がルールだから、そこに提案されなかったものを採決することはできないとのことでした。

初日の議会運営委員会に提案できなくなったのは、自民の異議申し立てによるもの。しかも、最終日に提示された案は、元々初日に説明されているものと同様のもの。ということであれば、なぜ素直に「おめでとう!よく活躍してくれました!彩の国功労賞を受け取ってください」という判断ができないのでしょうか。

こうした表彰は、対象者の活躍の姿が県民の皆さんの記憶に新しいうちにした方が、誰にとってもいいと思います。それが、議会の承認が必要となると、年に4回の議会の採決日の後の表彰となり、そもそも、かなり遅くなってしまいます。これだけを取っても、議会同意はよくないと思っていました。しかし、今回明らかになったのは、表彰対象者にいくらでも議会側が注文をつけ、議会が納得しないのだといってあれこれ知事を振り回そうとする結果、表彰対象者に大変な迷惑をかけてしまうことになる、ということです。

今回想定されていた皆さんには、開会以前の段階で、賞を受けていただけるかの打診をしています。そして、議会で承認されたら、閉会後に表彰式をお願いしますということまで、織り込んでいただいているはずです。ところが、今回自民が手続き論で振り回したことで、結果、対象者は「すっきりと認めてもらえなかったんだ」ということは少なくとも感じたに違いありません。また、名誉を傷つけることにもなりかねません。

埼玉県民の誇りになるような活躍をしてくれた方々の表彰を、自分たちと知事との対立の道具にしてはいけません。表彰は議会のおもちゃではありません。

このおかしな条例改正、元に戻したいけれど、非自民には数がない・・・。自民の中にも、このことのおかしさに気づいている議員さんは、たくさんいると思うのですが。


2018年10月 6日 (土)

大丈夫か、埼玉県議会。

埼玉県議会に籍を置いて7年半。おかしいと憤りを覚えることが度々ありました。
特に、知事の多選自粛条例をめぐる攻防が始まってから、自民会派はあの手この手を攻撃の矢が飛び、毎議会、よくこんないちゃもんを考え付いたものだというものから、もうこのヤジは子どもに見せられないひどさではないかというものまで、議場に座っていることがしんどくなるようなことが起きていました。

そして、それらを見るにつけ、県民を置き去りにして怨念を燃やすことに費やされる県議会の時間が口惜しくもあり、それを数ではどうにも制することのできない歯がゆさに、有権者の皆さんに申し訳ない気持ちにもなっていました。

しかし、今回の9月定例会に至り、遂にここまで来たかという異常事態になっています。

まず、障害者雇用水増し問題で渦中にある教育長に対して、問責決議が出されて自民・改革の会派により可決された件です。

もちろん、障害者雇用の国への報告にあたって、手帳の確認ないまま、水増し報告がなされていた事態は許されるものではありません。二度と起こらないようにしっかりと事態の究明と再発防止策の徹底を図る必要があります。

しかし、この問題の重要性を十分認識した上でも、私たちの会派含め、自民・改革以外の会派は、この問責決議には反対しました。

ところが、この全会一致でない問責決議に基づいて、なんと、昨日の文教委員会に出席しようとした教育長を、自民党は出席させない議決をするという考えられない対応を取ったのです(正確には委員長による退席要請と、その後の非自民委員が出した出席要請の自民委員による否決)。

この問題を詳しく質すにも、今後の対策について問うにも、教育長という責任者が出席の上で、議論をするのが文教委員会の姿であるはずです。教育長が出席できない理由はどこにもありませんが、それを自民委員による議決と言う形で、最終的には締め出してしまいました。あり得ません。

また、企画財政委員会では、ドローンの活用について、ある自民委員から「各県土整備事務所に配置する予算をつけなければダメだ」との指摘があると、その場で職員から「はい、予算をつけます」との答弁が。来年度予算は、これから積み上げて作り、最終的に2月定例会を経て認められなければなりません。これから予算を作る段階では、来年度予算にぜひ盛り込みたいと思っても「配置の必要性は十分認識しております」ぐらいしか答えられません。知事が編成する全体予算の影も形もない段階なので、当然です。それなのに、この職員は予算をつけると言ってしまいました。強い自民党議員から言われたら、職員はルールも無視して議員・職員間だけで決め、物事を進めてしまうのでしょうか。

産業労働委員会でも事件は起きています。

ある議案に関して、自民党がセットで実現を要望しているプランがあったようで、質疑の中で自民の委員さんから「実行にあたっては、自民案を反映した計画にしてくれ」との申し入れがあったようです。盛んに「自民党案」というキーワードが出てくるけれど、自民以外の委員や県民には、その内容がわからないものだったので、我が会派の委員が、自民党案の説明を求めました。

ところが、そのあとがびっくり。委員長から「今、部長が『自民党案を執行部がやる』と答弁したので、自民党案と執行部案は同じものになりました。よって、執行部から自民党案について説明させます」という趣旨のアナウンスがあったとか。この報告を聞いて、私は耳を疑いました。議院内閣制の国会でも内閣と与党の役割分担がある中、二元代表制の県議会で、基本の枠組みが崩壊しています。


私の出席していた環境農林委員会でも、事件は進行しています。

議案外質疑で、私の聞くところ、執行部からの説明は特に齟齬やおかしいところが見受けられないのに、自民委員からは「解明されない疑問が大いに残っている」という趣旨の発言がありました。解明のための百条委員会の設置を提案するのだそうです。

このほかにも、これに先立って行われた埼玉県議会選挙区定数検討協議会では、「協議会」とは名ばかり
協議を一切するつもりのない議事進行で、各会派の案をそのまま併記するのみの報告書が議長に提出されました。自民が変えるつもりがないのだから、協議などしても意味がないということなのでしょうか。

まだ、あります。

昨日は、最終日に提案される「意見書・決議案」のリストが配られていたのですが、自民会派から、信じられない多さの意見書と決議が提案されていました。

全会一致が原則のはずが、どんなに一致する内容でも、我が会派からは1件も認められないことが決まっている「意見書・決議案」。我が会派は、これまでも、忸怩たる思いで、この慣例と文化に首をひねっておりました。

いつも、自民党提案は5~7項目ぐらいあっても全部、そして、公明党提案の3案ぐらいの中から1つだけと決まっているのです。

そもそも、これがおかしいです。しかし、今回は、更におかしい。

今まで、私たち提案の意見書を一件も採用できない理由として、自民のもので数がいっぱいになっており、全体をこれ以上増やせないからとの説明を受けて来ました


それなのに、なぜ。今回なんと、自民案として提案された意見書・決議案は11。総数がこのくらいまで多くていいなら、今までの私たち会派からの提案も、内容で賛成できるものは取り入れられたはずです。もう、自分たちのしていることしか、見えないのでしょう。


一つ一つの問題を詳しく書いていないので、わかりにくかったかもしれません。

しかし、本当に由々しき問題が起きているということは確かです。

2018年7月 9日 (月)

6月定例会は先週で終了しましたが。

先週7日に埼玉県議会6月定例会が閉会しました。議案は少ない議会のはずでしたが、私自身は紹介議員になっていた請願が3本あった上、知事と最大会派の対立続く埼玉県議会なので、最終日まで大荒れの展開で、やはり大変な議会になりました。

 
新聞各紙で報じられたのは「全国知事会の認識を問う決議」とやらです。最終日は、この決議の質問や採決で荒れて、終了時間が大幅に伸びました。

いつまでこの多選自粛条例に拘泥して県政にロスを生み出すのかと、怒りがわいてきます。更に、県とは別団体である全国知事会に対して、遠くから「決議」の形(しかも全会一致でない。自民・改革のみの賛成。)で口出しをすることのおかしさに、気づかないのかと暗澹たる気持ちになります。全国知事会長と埼玉県知事としての任期は、それはそれ、これはこれ、の別物で、知事会長に就任したというのであれば、むしろその立場を大いに埼玉県政推進に生かしてほしいものだと思います。
一方では、西日本の豪雨災害の被害が甚大です。被害に遭われた方に心よりお見舞い申し上げます。雨のピークは過ぎたものの、復旧に向けた対応も含め、これからが大変。地震と違って、ある程度前もって予報を見ながら準備を詰めていくことができるのが雨の災害ですが、日本の技術をもってしても、的確な判断が難しかったのか、対応にまだまだブラッシュアップするべきところがあったのか、これから究明していかなくてはなりません。

2018年5月31日 (木)

地味でも大事なこと ~埼玉県の文書管理も調べてみよう~

Img01_5_2あまりの忙しさの中で、ずっとブログがそのままになっておりました。反省です。

それにしても、毎日追いかけるだけでも大変なくらい、政治の世界では色々な事件が起きていますね。

さて、この建物は何でしょう。国立公文書館です。そう、世の中の皆さんからは「もう飽きた」との声も聞こえるモリ・カケ問題ですが(自衛隊の日報問題もありましたね)、この国の文書管理はどうなっているのか、非常に危機を感じています。改ざんなんてもっての他ですし、資料を探そうとして探せないような管理の方法になっていることに疑問を感じます。

振り返って、埼玉県は大丈夫だろうかと思いました。今日は制度の概要を調べたところまでですが、もう少し今後詳しく調べてみたいと思っています。

公文書管理は、正直地味な印象です。しっかりできていて当たり前の世界でもあろうかと思います。でも、日本人の苦手分野とも言われています。

まずいものでも、歴史の検証に耐えられるように、しっかり残さなくてはなりません。そして、そのままを記録された文書に基づいて、民主主義の判断をしていく、、、難しい話になってしまいますが、「地味でも大事」を肝に銘じて埼玉県の文書管理の仕組みをチェックしていきます。


2017年7月13日 (木)

政務活動費の不正使用による県議辞職、辞職で終わりではいけない

いつもこの手の報道があると、口惜しい気持ちでいっぱいになります。
 
政務活動費の不正使用、詐取、等々。かの兵庫の号泣県議の報道から4年、あれほどインパクトある映像はなくとも、あちらの議会で、こちらの議会でとぽつぽつ報道がありました。その度に、駅で県政レポートを配布していても、「どうせあなたもやっているんじゃないの」と言われたり、「第2のお財布があっていいね」などと言われる経験をします。

 

真面目に、必要な調査やレポート作成など、必要なことに充てさせていただきつつ、ちゃんと領収書を公開して疑念が持たれないような事務処理に努めている者としては、本当に腹立たしくて仕方ありません。

 

しかし、今回はそれが、自分の所属する議会で起こってしまいました。政務活動費の領収書は1円から全面公開している、内部チェックもしている、この埼玉県議会で。

さらに、辞職することになった沢田議員は、さいたま市議会でも1期、県議会で2期一緒なので、知らない議員ではありません。まさか彼が、と思います。
 
今回のケースは、領収書を発行したことになっている会社側から「うちで出していない領収書が政務活動費に使われている」と情報提供があり、新聞報道から発覚しました。しかし、実際私も問題の領収書を見てみましたが、特におかしいとは思わない普通の領収書でした。こうして、きちんとした領収書があって、使用目的に問題なければ、会派や議会内部でかけるチェックも、OKと判断してしまいます。つまり、このようなケースを見抜くことは極めて困難だと言わざるを得ません。
 
でも、見抜くことが難しいからと言って、諦めるわけにはいきません。
本当に悔しいけれど、こういうことが起きると、有権者の皆さんに信じていただくことが極めて難しいことになってしまいます。たった一人のことでも!だから、ここで改めて不正防止のために何ができるかを、埼玉県議会としても取り組む必要があります。

もう一つ、口惜しいことがあります。

それは、今回の一連のことが、沢田議員所属の自民以外の県議には、一切説明されずに事が辞職で終わっていることです。

月曜日に問題の新聞掲載、火曜日に会派除名の報道、水曜日に辞職報道。誠にスピーディーな展開でしたが、自民ではない議員は、報道以外に何もこの自分たちの議会に起きたことを説明されていないのです。これだけのことが起きても、新聞に書いてあることしかわからない。

しっかり事情を説明してもらって、その事実から議会の仕組みをどう変える必要があるのか、議論しなければなりません。

今回は、号泣兵庫県議の件とは違って、全額返還ではなく、該当領収書分のみの返金になっています。他の領収書が不正使用ではないと、言い切れる要素は何もないまま、見つかったところだけを返しておしまい、それでいいのかという問題もあります。後追い調査も必要でしょう。この件は、もう少し広がりのある事件なのではないかという疑惑を県民にもたれないためにも、説明と調査が必要と考えます。

沢田議員の選挙区、さいたま市大宮区は1人区なので、辞職に伴い、50日以内に補欠選挙になります。

立候補する人たちは、「不正を許さない」「議会改革を」と言って、どなたも戦うと思います。そして、実際、その誓いを胸に、その後の活動にも頑張ってくれる人が選ばれてくると思います。

それでも、有権者は信じてくれるか。ここまで全国で政務調査費をめぐる事件がなくならないでいると、もう一度信じようと思ってもらうことが、どんどん大変になるのを感じます。

2017年7月 4日 (火)

都議選、風と選挙と根性と。

都議選の結果は皆さんご存知の通り、都民ファーストの圧勝と自民惨敗、そして、自身の所属政党民進党はわずか5議席で第5勢力に相成りました。

この結果を前に、昨日一日、色々な思いにとらわれました。

風ってすごいな、ということ。
本当に、風で選んで都民の皆さん、良かったの?という思い。
築地と豊洲と市場を二つって、あぶはち取らずになるのでは?という心配。
都議選中も、加計・豊田・稲田など国政ネタの報道が多かったけれど、都政について考えられる選挙になっていたのか、という疑問。
自民にも民進にも、本人の議員としての力量も選挙区内での活動も十分だったのに、都民ファの風に吹き飛ばされている人は少なからずいるはずで、台風の前には努力も誠意も無力なのだな、ということ。
はい、かつて民主党にも風が吹いたことがあったので、お前もその恩恵を受けただろと言われればそれまでです。選挙を戦っている自分は、それでも政策を訴え、また、それを一生懸命伝えようとする活動を見てくれて有権者が選んでくれた(そしてプラス、風も後押ししてくれた)と思っていましたが、きっと、そうでもなかったのだとも思います。

選挙が全て時の暴風次第だと思うと、正直、元気が出ませんでした。

でも。

でも、と力を込めようと思います。

議会での活動も政策も、伝える必要がある。そして、地域のために、県のために、やるべきこと、やりたいことがある。

だったら、ひたすらそれをやる、それしかない、ということ。

選挙という結果に、つながるかどうかは、ある種関係ない。

こうして活動できる4年間の議席を与えていただいているだけで、すごく幸せなこと。

最大限生かせるよう、がんばろう。

少々、都議選結果にへこたれそうになったので、原点に立ち返って、根性に気合を入れた昨日でした。

2017年4月17日 (月)

教育長、不在。

今、埼玉県の教育行政のトップが不在です。

4月から法律が変わって、これまでの「教育委員長」は廃止になり、新しく「教育長」が教育行政を全て束ねることになりました。重要なポストです。

2月定例会最終日(3/27)に審査の上、決める予定でしたが、最大会派さんから「慎重審議が必要だ」という理由で、審査もされないまま、先送りされてしまいました。この日に徹底審査をしたのに、時間が不足していて結論が出せなかったのならわかります。そうではありません。審査をしないで、「これはじっくり」とだけ言ってそのままにしてしまったのです。

これは県議会が議会としての仕事をさぼっているとしか、私には思えません。

教育長が決められなかった都道府県は、全国でも埼玉以外にありません。情けない。

普通に暮らしていると、教育長と会ったり話したりする機会はありませんから、いなくてもその異常さがわかりにくいかもしれません。でも、例えば子供たちに直接授業をするのは一般の先生だから、校長先生は3か月ぐらい決めないまま放っておいていいかといえば、そうではないことは皆さんにも感じていただけると思います。

知事への自民さんの対決度がどんどん強まっている影響で、最近、こんなことばかり起きています。何でも「慎重審議」と言って、審議しないまま時間を浪費させる・・・結果として県政にマイナスをもたらしています。

議会が審査をさぼったまま、教育長を不在にしていい理由はどこにもないと思うのですが。

2017年1月16日 (月)

ホームドア設置、決まったばかり  無念の一言

14日に視覚障害をお持ちの男性が蕨駅でホームから転落して亡くなりました。http://www.saitama-np.co.jp/news/2017/01/15/11.html

盲導犬はハーネスから手が離れて駅に残った由。毎年、会派で行う団体からの予算要望の際、視覚障害の方からは、駅へのホームドアの設置、ホームドア設置まで時間がかかるようなら内包線付き点字ブロックの設置を求める要望が出されていたので、今回の事故は、本当に胸が痛みます。

こうした要望を受け、党派を超えて改善を求める要望が県に上げられ、県も鉄道事業者への申し入れをし、12月定例会中には、JRから京浜東北線全駅にホームドア設置の方針が発表されたので、良かったと嬉しく思っていたところでした。http://www.jreast.co.jp/press/2016/20161214.pdf

しかし、もっと早く取り組まなければならなかったのです。今回の京浜東北線全駅設置の方針も、2020年度までに27駅、2021年度以降に10駅を整備予定とされていますが、これがとっくに実施されていれば、この方は命を落とさずに済んだのです。

時間との勝負。できる限りの前倒しで、ホームドアの設置を!

«鳥インフルエンザのニュースがありますが。